いつもお世話になっております、ルル区長です。
6月や12月になると決まってニュースに出ている公務員のボーナスの話題ですが、実際どのようにして支給額が決定されているか皆さんご存じですか?
年間で給料4.5か月分くらい貰っているっていうイメージはありますよね笑
意外と知られていないのですが、計算式は結構複雑なんです笑
今回はそんな公務員のボーナスについて徹底解説していこうと思います!
最新年度の公務員の給料に関する情報については以下の記事を参考にしてみてください♪
公務員のボーナスには「期末手当」と「勤勉手当」があります
公務員のボーナスというのは「期末手当」と「勤勉手当」という2つの手当から構成されています。
この2つの手当てに支給月数が設定されていて、これが俗にいう「給料○○か月分」というものの根拠になります。
R6年度から国家公務員の給与勧告で全国的に支給月数が引き上げられます!
R5年度とR6年度の国家公務員の期末手当と勤勉手当の支給月数を以下の表にまとめてみました!
R5年度 | 6月期 | 12月期 | 合計 |
---|---|---|---|
期末手当 | 1.20月 | 1.20月 | 2.40月 |
勤勉手当 | 1.00月 | 1.00月 | 2.40月 |
合計 | 2.20月 | 2.20月 | 4.40月 |
R6年度 | 6月期 | 12月期 | 合計 |
---|---|---|---|
期末手当 | 1.225月 | 1.225月 | 2.45月 |
勤勉手当 | 1.025月 | 1.025月 | 2.05月 |
合計 | 2.25月 | 2.25月 | 4.50月 |
人事院 令和5年 給与勧告の骨子
R5年度からR6年度にかけて年間の合計支給月数が0.1カ月分上がります!
地方自治体のボーナスも国に合わせて変動するのでどの自治体でもこの支給月数になります!
ボーナス支給額の算出方法は意外と複雑!
では公務員のボーナスが先ほど紹介した支給月数(R6年度であれば年4.5カ月分)に基本給を乗じた額になるかといえばそうではありません。
実はボーナス額の算出方法は意外と複雑です!
期末手当・勤勉手当それぞれ算出方法が若干異なりますので順に説明していきます!
期末手当の算出方法
まず期末手当の算出方法ですが、以下の計算式によります。
扶養手当や地域手当も支給額算出の対象になるんですね!
各項に出てくる単語の説明をしておきます!
- 基本給…各職員の級・号給で定められる額
- 扶養手当…扶養内の配偶者や子供等に対し支給される額(6,500円~10,000円程度)
- 地域手当…勤務地域ごとの物価調整のために支給される額(基本給の0%~20%)
- 役職別加算額…各級(役職)ごとに定められている額(基本給の0%~20%程度)
- 支給割合…支給月数(R5年度の期末手当でいうと1.225カ月)
- 在職期間割合…支払月以前の6カ月在職期間に応じて設定される率(30%~100%)
役職別加算額は出世するほど増えていくのでボーナスの上り幅は大きくなりますね!
地域手当や扶養手当も基本給に加算されるので地域手当が大きい自治体に勤務している人や子供がいる人にとってはありがたいですね!
また、在職期間割合は国家公務員の場合、以下の表を基に設定されます!
在職期間 | 割合 |
---|---|
6カ月 | 100% |
5カ月以上6カ月未満 | 80% |
3カ月以上5カ月未満 | 60% |
3カ月未満 | 30% |
勤勉手当の算出方法
続いて勤勉手当の算出方法ですが、以下の計算式で算出されます。
期末手当よりはシンプルな計算式になりましたね笑
勤勉手当の算出には期末手当ではなかった期間率と成績率が用いられています。
- 期間率…職員の勤務期間により決定される割合(100%以下)
- 成績率…職員の勤務成績に応じて決定される割合(210%以下)
期間率は期末手当の在職期間割合と似ていますが、別に定められている割合です。
期間率の割合区分を以下の表にまとめました。
勤務期間 | 割合 |
---|---|
6カ月 | 100% |
5カ月15日以上6カ月未満 | 95% |
5カ月以上5カ月15日未満 | 90% |
4カ月15日以上5カ月未満 | 80% |
4カ月以上4カ月15日未満 | 70% |
3カ月15日以上4カ月未満 | 60% |
3カ月以上3カ月15日未満 | 50% |
2カ月15日以上3カ月未満 | 40% |
2カ月以上2カ月15日未満 | 30% |
1カ月15日以上2カ月未満 | 20% |
1カ月以上1カ月15日未満 | 15% |
15日以上1カ月未満 | 10% |
15日未満 | 5% |
0日 | 0% |
そして成績率ですが、210%以下と決まってはいますが大体は95%~110%程度の範囲内で決定されることが多いです!
成績率の割合区分は以下のとおりです。
成績区分 | 6月度 | 12月度 |
---|---|---|
特に優秀 | 119%以上200%以下 | 124%以上210%以下 |
優秀 | 107.5%以上119%未満 | 112.5%以上124%未満 |
良好 | 96% | 101% |
良好でない | 87.5%以下 | 92.5%以下 |
計算例:国家公務員一般職の新卒一年目のボーナスを算出してみます
それではここで計算例として国家公務員一般職の新卒(大学4年卒)1年目のボーナスを計算してみようと思います。
R5年度の給料ベースを参考に考えています!
条件としては以下のように想定します。
- 基本給…185,200円
- 扶養手当…無し
- 地域手当…37,040円(基本給の20%:本省勤務)
- 役職別加算額…無し
- 支給割合…120%(給与改定前)
- 在職期間割合…30%(6月度)、100%(12月度)
- 期間率…40%(6月度)、100%(12月度)
- 成績率…107.5%(6月度)、112.5%(12月度)
在職期間割合と期間率は新卒だと4月1日採用なので6月度の支給割合は少なくなってしまいます!
それでは実際に計算していきます。
まずは6月度からです!
6月度
期末手当=(185,200+37,040)×1.20×0.30≒80,006円
勤勉手当=(185,200+37,040)×0.40×1.075≒95,563円
6月度合計:175,569円(地域手当なしの場合:146,308円)
在職期間が短いため、やっぱり額も少ないですね…
次に12月度のボーナスを計算します!
12月度
期末手当=(185,200+37,040)×1.20×1.00=266,688円
勤勉手当=(185,200+37,040)×1.00×1.125=250,020円
12月度合計:516,708円(地域手当なしの場合:430,590円)
6月度に比べるとかなり額が上がったように見えますね!
1年目の冬のボーナスは本当に嬉しいです笑
今回は国家公務員のボーナスを例にしましたが、計算式はおおよそどの自治体でも同様です。
ただし、各項の率などは自治体により異なるので注意してください!
まとめ
ここまで、公務員のボーナスである「期末手当」と「勤勉手当」について解説してきました!
まとめると、
- 公務員の「期末手当」と「勤勉手当」の支給月数は4.5カ月分(R5給与改定より)
- 計算式は各手当ごとに異なり、勤務期間や業務成績などが支給額に反映される
- 地域手当や扶養手当もボーナスに反映される
- 新卒(大学4年卒)だと1年目のボーナスは夏15万、冬40万程度
こんな感じでしょうか!
厳密な計算式は意外と複雑であることが分かったと思います。
ちなみに僕の1年目のボーナスも例で計算した額に近かったです笑
是非この記事を参考に興味のある自治体のボーナスがどれくらいか計算してみてください!
この記事が公務員に興味のある方の役に立ったら嬉しいです。
これからも公務員に関する情報を発信していこうと思います!
それでは、失礼いたします。