いつもお世話になっております、ルル区長です。
8/8の人事院勧告により給与制度のアップデートが報告されましたね!
これを受けて10月に入って各自治体でも職員給与に関する報告・勧告が発表されています。
ここ数年は毎年のように給与改定が行われてきましたが、今回の改定は約30年ぶりの大幅な改定となっています。
そんなR6年度の給与改定の中でも重要な部分に注目して、この記事で徹底解説していきたいと思います!
【国家公務員】人事院勧告による給料制度改定の概要について
まずはR6年度になって最初に発表された人事院勧告の給料制度改定の概要について解説していきたいと思います!
基本給だけでなくボーナス(期末手当・勤勉手当)や地域手当についても改正が行われています!
これから解説する人事院勧告の概要については人事院のHPを参照しております。
初任給は2万円以上の大幅な引き上げ!
人事院勧告では「採用市場での競争力向上のため、初任給を大幅に引上げる」と発表しています。
国家公務員の初任給の職種別改定額を以下の表にまとめました!
職種 | 改定前 | 改定後 | 改定額 |
---|---|---|---|
総合職(大卒) | 200,700円 | 230,000円 | +29,300円 |
一般職(大卒) | 196,200円 | 220,000円 | +23,800円 |
一般職(高卒) | 166,600円 | 188,000円 | +21,400円 |
総合職(大卒)ではほぼ3万円もの上昇幅ですね!
物価上昇や民間企業の賃金引上げの流れがあるとはいえ、これから新卒で公務員になる方にとっては素晴らしい朗報だと思います!
ちなみに、僕が入庁した時の初任給の額とは天地の差です笑
初任給の引き上げに伴って現行職員の給料ももちろん上がります
初任給が上がるということはもちろん現行職員の基本給も見直されることになります。
初任給が大幅に上がったため、現行職員の給料も大幅に改定されます!
国家公務員では勧告後の平均給与は勧告前と比べて約11,000円(約3%)の上昇になります。
ここ数年は給与改定が続けて行われていますが、今回のはかなり大きな改定となっていますので僕たち現行の職員にとっても非常に嬉しい話ですね!
若年層に重点を置いた改定で若手職員ほど大きな恩恵を受けられる
今回の改定では例年の改定基準どおり、主に若年層(概ね30代後半まで)に重点を置いています。
つまり、若いほど改定額の値が大きいということです!
若手職員にはとても嬉しい改正になります。
国家公務員では給与について平均11,000円の上昇になりますが、役職別に見るとかなり差があります。
役職別の改定率を下の表にまとめてみました!
役職 | 改定率 | 改定上昇額(推定) |
---|---|---|
1級(係員) | 約11% | 約20,000円UP |
2級(主任等) | 約8% | 約18,000円UP |
全体 | 約3% | 約11,000円UP |
表から、全体の給与では11,000円の上昇でしたが1級や2級の若手職員は約20,000円の上昇となっていることが分かりますね!
逆に言うと、年配の職員や管理職の人はここまでの上昇はないということですね…
僕も自治体の勧告が発表された後に自身の給料の改定額を見てみましたが、結構な額上昇していて嬉しい気持ちになりました笑
(参考)地方公務員の給与改定額について
ここまで、国家公務員を例に給料の改定について解説していますが、地方公務員の給料改定額についても以下の記事で解説していますので是非ご覧ください!
ボーナス(期末手当・勤勉手当)もUP⤴評価基準も改正されます
基本給のみではなく、ボーナス(期末手当・勤勉手当)についても改定があります。
今回の改定では支給月数だけでなく、評価基準にも改定がありました。
こちらも僕たち公務員にとっては非常に嬉しい情報ですね!
支給月数は0.1カ月分UPします!
公務員のボーナス(期末手当・勤勉手当)も民間の支給月数に合わせて4.50カ月分から4.60カ月分(0.1カ月分UP)に引き上げられます。
期末・勤勉手当の引き上げの内訳は以下のとおりです。
手当費目 | 平均支給月数(改定前) | 平均支給月数(改定後) |
---|---|---|
期末手当 | 2.45 | 2.50 |
勤勉手当 | 2.05 | 2.10 |
合計 | 4.50 | 4.60 |
国家公務員の一般職の初任給が220,000円なので、入庁したてでも0.1カ月分の手当上昇で22,000円もボーナスが増えることになります。
冬のボーナスがとっても楽しみですね!笑
勤勉手当の成績率の上限も引き上げられます!
また、勤勉手当の成績率の上限の引き上げが今回の勧告で発表されました。
成績率について簡単に説明すると、期末手当の支給額の計算に反映される勤務成績に応じて決定する率(割合)のことです。
公務員のボーナスは基本給×支給月数(4.60カ月)という単純な計算で算出されるものではなく、上記の「成績率」や勤務期間による「期間率」などを考慮して計算されます。
期末手当・勤勉手当の詳しい計算方法については以下の記事で紹介していますので興味のある方は是非ご覧ください♪
国家公務員では成績率を以下のように引き上げることを発表しています。
項目 | 現行 | 見直し後 |
---|---|---|
「特に優秀」区分の 成績率上限 | 平均支給月数(1.025)の2倍 2.05 | 平均支給月数(1.05)の3倍 3.15 |
上位の成績区分の 人員分布率 | 「特に優秀」:5%以上 「優秀」:25%以上 | 「特に優秀」と「優秀」を 合わせて30%以上 (うち「特に優秀」を5%以上) |
優秀な人材にはボーナスが多く支給されやすくなるため素晴らしい改定だと思います!
地域手当の見直しにより勤務する自治体によっては給与に影響があります
今回の勧告では地域手当にも見直しが入りました。
この見直しによりこれまで7つに分けられていた区分が5つの区分に再編されるようです。
これにより、地域手当が上がる自治体もあれば下がる自治体も出てきます。
務める地域によっては嬉しくない改定になることもあるのが残念ですね…
東京都の特別区と政令市に限定して地域手当がどう変わるのか以下の表にまとめてみました。
級地区分(改定前) | 支給割合(改定前) | 支給地(改定前) |
---|---|---|
1級 | 20% | 東京都特別区 |
2級 | 16% | 横浜市・川崎市・大阪市 |
3級 | 15% | さいたま市・千葉市・名古屋市 |
4級 | 12% | 神戸市・相模原市 |
5級 | 10% | 京都市・広島市・福岡市・堺市 |
6級 | 6% | 仙台市・静岡市 |
7級 | 3% | 札幌市・新潟市・岡山市・北九州市・浜松市 |
– | 0% | 熊本市 |
級地区分(改定後) | 支給割合(改定後) | 支給地(改定後) |
---|---|---|
1級 | 20% | 東京都特別区 |
2級 | 16% | 横浜市・川崎市・大阪市 |
3級 | 12% | さいたま市・千葉市・名古屋市・堺市 |
4級 | 8% | 神戸市・相模原市・仙台市・静岡市・広島市・福岡市・京都市 |
5級 | 4% | 札幌市・岡山市・浜松市・北九州市 |
– | 0% | 熊本市・新潟市 |
こう見ると政令市では地域手当が減少した都市が多いようです…
激しいところでは神戸市が12%から8%になったり(4%減)、新潟市が3%から0%(3%減)になっていたりします。
ここでは触れていませんが都道府県ごとに地域手当が設定されたりと大枠では地域手当の拡充がされていますが政令市に注目するとマイナス面が強いですね…
札幌市や岡山市(3%から4%)、仙台市や静岡市(6%から8%)は政令市の中でも地域手当が上昇しているのでこの自治体で働く公務員の方はラッキーですね!笑
まとめ
ここまでR6年度の人事院勧告で発表された給与改定に関する重要事項について解説してきました。
まとめると、
- 初任給は2~3万もの大幅な上昇
- 初任給の引き上げに伴って現行職員の基本給も平均1.1万の上昇(若手職員ほど大きく上昇)
- ボーナス(期末手当・勤勉手当)も0.1カ月の引き上げ、評価制度も見直しあり
- 地域手当も見直しがあったが政令市にとってはあまり良い改正にはなっていない
こんなところでしょうか!
この記事が公務員として働いている方、公務員に興味のある方の参考になれば嬉しいです。
これからも公務員に関する様々なお役立ち情報を発信していきます!
それでは、失礼いたします。