いつもお世話になっております。ルル区長です。
皆さん公務員には特別な貯金制度「共済積立貯金」があるのをご存じですか?
この制度ですが、実は銀行に預けているより年間の預金金利が数百倍以上良かったりします!
こう聞くととても素晴らしい制度に見えますね笑
今回はそんな共済積立貯金について制度の概要と実際どれくらいメリットがあるのか、またデメリットについても解説していこうと思います!
記事の後半で僕のオススメの活用法についても紹介しています!
共済積立貯金は組合が運用して得た利益を還元してもらい資産を増やす制度です!
共済積立貯金は各自治体の共済組合が資金を運用して得た利益を制度を利用している職員に還元することで資産が増えるという仕組みになっています。
ちなみに公務員はもれなく共済組合に加入することになります!
また、資金の運用先としては国債・地方債等の債権に投資を行っています。
ちなみに債権とは、そして債権投資の特徴については以下にまとめてみました!
債券:国や地方公共団体が発行する借用書。(保有すれば利子+満期で全額返還)
債券投資の特徴:国や地方公共団体が発行しているため、株式投資に比べてリスクが低い
運用益は株式投資に比べて少ないですが、安定した運用が可能なのが債権投資の特徴です!
こうした運用を組合が代わりに行ってくれるのは非常にありがたいですよね!
金利は自治体により様々。だけど銀行に預けるよりは全然マシです!
上記のように安定して資産を増やせる共済積立貯金ですが、実際銀行の預金とどれくらい差があるのでしょうか?
まず、例としてメガバンクの1つでもある三菱UFJ銀行の普通預金の年間金利は「0.1000%」です。
金利引き上げ政策により預金金利もかなり引き上げられましたがまだまだ利率は低いです。
そして、地方自治体(政令市のある15道府県を抜粋)の共済積立貯金の年間金利はというと、
順位 | 道府県名 | 利率(%) |
---|---|---|
1 | 神奈川県 | 1.52 |
2 | 静岡県 | 1.10 |
3 | 宮城県 | 1.00 |
3 | 岡山県 | 1.00 |
5 | 愛知県 | 0.70 |
5 | 広島県 | 0.70 |
7 | 京都府 | 0.60 |
7 | 兵庫県 | 0.60 |
9 | 新潟県 | 0.40 |
– | 大阪府 | 非公表 |
– | 福岡県 | 非公表 |
– | 千葉県 | 非公表 |
– | 埼玉県 | 非公表 |
– | 北海道 | 非公表 |
– | 熊本県 | 非公表 |
一番低いところで新潟県の「0.40%」から最高で神奈川県の「1.52%」であることがわかります。
銀行預金に比べると数倍以上の差がありますね!
また、約半数の都道府県が年利を非公表にしていますが、おおよそ公表している自治体と差はないと思います!
共済積立貯金は半年複利で実際の年利より(少し)お得!
共済積立貯金ですが半年複利で年2回に分けて利息の計算が行われます。
時期としては9月末日と3月末日に計算が行われます!
これの何がお得かというと例えば年利1%の自治体に100万円を1年間預けたとして計算してみます。
分かりやすくするために課税分(20.315%)は無視しています!
1年福利の場合:1,000,000+(1,000,000円×0.01(1%))=1,010,000円
半年複利の場合:
1回目:1,000,000円+(1,000,000円×0.005(0.5%))=1,005,000円
2回目:1,005,000+(1,005,000円×0.005(0.5%))=1,010,025円
以上のようにほんの少しだけ半年複利のほうがお得なのが分かりますよね。
ほんとに少し…笑
10年、20年と積立をしてどれくらい資産が増えるかは以下のサイトで簡単に計算できますので是非確認してみてください!
また、共済積立はいつでも積立総額を確認できるというわけではなく、基本的に利息の計算が行われたときにくる通知書で知るようになります。
そのため、個人的には半年複利のほうが資産を確認する機会が多いこともメリットだと思っています!
共済積立貯金って公務員は全員やったほうがいい?➡そんなことはありません!
ここまで共済積立貯金の制度について解説してきました。
たしかに銀行預金よりははるかにお得な貯金制度ですよね。
公務員なら全員がこの制度を利用するべきなのでしょうか?
僕の見解としては、資産を増やすという目的ではあまりオススメできません!
ここからその理由とこの制度の活用法について解説していきます!
資産を増やす目的ならNISA制度を活用したほうが良い!
資産運用の目的で共済積立貯金を利用をオススメしない一番の理由がこれです。
シンプルにNISAの方が資産を増やすのに適しています!
僕は共済積立貯金もNISAも活用していますが、運用益は断トツでNISAのほうが良いです!
NISAは投資する銘柄にもよりますが積立の利回りは年3~10%とされていて共済積立貯金の年利よりも高いです。
そしてなによりNISAは非課税です。これがお得すぎる…
共済積立貯金の利息で増えた金額は20.315%の課税がかけられ、実際もらえるのは増えた総額の8割弱になってしまいます。
このような点から、資産運用の目的での共済積立貯金の利用はあまりオススメできません!
制度の活用法1:リスクヘッジとしての資産運用ならアリ!
先ほど、資産運用目的ではあまりオススメしないといいましたが、資産運用のメインではなくリスクヘッジのサブポジションとして考えるなら全然ありです!
NISAなどで投資信託に投資し運用していても時には含み損になってしまう時もあります。
そうした際にいくらか共済積立貯金の口座にお金を入れていると安心です。
理由としては、
- 共済積立貯金で運用しているのはリスクの低い債券である
- 貯金制度であり、共済組合がまとめて運用しているので常に増え続ける(資産が減ることはない)
上記の特徴があるからです!
資産運用として考えると増える額は少ないですが、資産が減ることはないというのが強みですね!
僕もNISAの調子が悪いときに共済積立貯金の通知書が来て精神的に助けられた時が何度かありました笑
個人で債権に投資するよりもより安定しているため、守りの投資としては優秀です!
制度の活用法2:浪費防止・緊急時のための貯蓄にする
次の活用法はズバリ、浪費防止と緊急時のための貯蓄に利用することです!
僕はこの目的で共済積立貯金を利用しています!
共済積立貯金は給与から天引きして積み立てられるため、積立分の金額が給与口座に降りてきません。
あればあるだけ使ってしまう僕みたいな人間にはありがたいシステムです笑
また、緊急時に使えるお金として置いておけるのもこの制度の優秀なところです。
僕も最低でも給料の半年分は共済積立の口座に残すようにしています。
逆にいうと口座にお金が増えてくると定期的におろして投資信託に回したり旅行に行ったりしています!
複利で少しは増えますし、あまり触らない第2の銀行口座のような感じで利用しています笑
制度の活用法3:(既婚者向け)ヘソクリ口座にする…
最後の活用法になります。ある条件下で働く公務員にとっては非常に有効な活用法になり得ます…
ある条件とは…
「配偶者(妻・夫)に財布を握られて少ないお小遣いで日々を過ごしている公務員」です!
こういう人、僕の職場にも結構います笑
先ほどもお話ししたとおり、共済積立貯金は給与から天引きで積み立てられます。
なので給料が振り込まれる銀行口座の通帳をみてもバレません笑
さらに言うとこうして積み立てたお金は給料が振り込まれる口座以外の口座を設定して引き下ろすことも可能ですので安心ですね笑
ただし給与明細を見られたらバレるので注意してくださいね笑
少しリスクの高い活用法ですが、一応お伝えしておきました!
注意点:安定している制度ですが、少しだけ金銭的リスクもあります
さて、安定した共済積立貯金の制度ですが実は少しだけ金銭的なリスクもあります。
ほとんどないのと同じようなものですが、頭には入れておいたほうが良いのでお伝えしていきます!
ペイオフ制度はありません!
銀行の預金等でよく耳にするペイオフ制度が共催積立貯金にはありません。
ちなみにペイオフ制度とは簡単に説明すると
- 金融機関が破綻したときにその金融機関に口座を持つ預金者に対し、1,000万円まで元本と利息を保証する制度
このような制度です!
もし共済組合が破綻してしまうと預けているお金は消えてしまいます…
自治体の共済組合が破綻することはまずないと思いますが、ペイオフ制度が無い以上、リスクを背負っているということは念頭に置いておいたほうが良いでしょう!
お金を預けすぎないようにするのも良いかもしれません!
上限金額あり、そして近年年利は減少傾向
共済積立貯金の口座には上限金額が設定されている自治体が多いです。
上限額までいくとそれ以上は積み立てることができません。
その上限額とは…3,000万円です!
はい、あまり関係ないですね笑
定年までしっかり積み立てる人は気を付けておいたほうがいいかもしれません。
そして、この制度の年利ですが近年減少傾向にあります。
例えば、紹介した年利が最も高い神奈川県の共済積立貯金ですが、
数年前までは年利1.90%だったのが今は1.52%まで下がっています。
ほかの自治体でも同様の傾向がみられ、今後は共済積立貯金の利用ももしかするとメリットが少なくなってくるかもしれません。
この動向には注目しておいたほうがよさそうですね!
リスクヘッジも考慮したオススメ運用方法を紹介します!
最後に、僕が考える共済積立貯金のオススメ利用方法を紹介します!
前述のリスクもある程度考慮したものとなっています!
前提としてNISA口座との併用を考えています!
そして積立額ですが月1~2万円がオススメです!
これで金利抜きで年間12万~24万貯金することができます。
そして共済積立貯金を始めてからは、給料の半年分(もしくは100万円程度)まで臨時積立を活用したりして早めに到達します。
目的としては緊急時に使える資金を確保しつつ、複利の効果も少しは期待できる状況を作っておくことです。
1,000万ほどの大金まで積み立てる必要はありません。取り崩すのに抵抗が生まれてしまいます笑
そうして毎年1回程度、共済積立貯金の口座から「給料の半年分(もしくは100万円程度)」を超えた金額を取り崩していきます。
取り崩すタイミングは利息の計算が行われた後にしましょう!
こうして取り崩した金額(12万~24万+利息分)をNISA口座に再投資もしくはプライベートを充実させるのに使ってしまいましょう!
12~24万あれば旅行にも行けるし、ちょっとした贅沢ができますよね!
なので月1~2万の積立を推奨しています!笑
こうすることで、以下のようなメリットがあると考えています。
- ペイオフ制度に対するリスクヘッジ
- NISA口座と併せた分散投資と再配分にも活用できる
- 時にはプライベートにも余剰資金として活用でき、生活の質が向上するかも
あくまで単体でお金を増やすためではなく、資産運用の補助をしたり、プライベートを充実させたりする感覚で利用するといい感じです!
僕はこうした形で共済積立貯金を活用しています。是非参考にしてみてください!
まとめ
ここまで、共済積立貯金の制度とそのメリット・デメリットについて解説してきました。
まとめると、
- 銀行預金に比べると金利はかなり高い(数百倍程度)
- 資産を増やす目的で利用するならNISAを活用するほうが良い
- NISAと併用して運用するのはアリ
- 緊急時の貯蓄+年1程度の余剰資金を作る程度の目的で活用するのがベスト!
- ペイオフ制度無し、近年金利は減少傾向のため過信しすぎはNG!
こんなところでしょうか!
考え方によっては非常に有用な制度だと思います!
この記事が公務員として働く皆さんの資産形成の参考となれば嬉しいです。
これからも公務員に関する情報を発信していこうと思います!
それでは、失礼いたします。