いつもお世話になっております、ルル区長です。
公務員の方なら毎年人事院が発表する「職員の給与に関する勧告」を受けて給料月額の改定が行われていることはご存じだと思います。
僕が入庁してからも毎年給料月額の改定は行われています!
給料月額が改定されると公務員はその年の4月に遡って差額分を12月分までまとめて支給されます。
でも、この「差額」についてどうやって計算されるのか、いつ支給されるのか等しっかりと把握できていますか?
特に令和6年の改定では給料月額が大幅に上昇することもあって関心のある方も多いのではないでしょうか。
以下の記事ではR6年度の給与改定について解説しています。興味のある方は是非ご覧下さい♪
今回の記事ではそんな公務員の方々が毎年経験する大イベント「給料月額の改定に伴う差額の支給」の内容について解説していきます!
4月に遡って支給されるのは官民の給与差に関する比較が4月時点で行われているから
まず最初になぜ公務員の給料月額の改定について差額がその年の4月に遡って支給されるのかについて簡単に説明します。
下記にR6年度の人事院勧告の給与に関する勧告で謳われている文章を一部記載しておきます。
人事院 職員の給与に関する勧告 (4 本年の給与の改定)
(1) 改定の基本方針
ア 月例給
前記3(1)のとおり、本年4月時点で、国家公務員の月例給が民間給与を11,183円(2.76%)下回っていることから、民間給与との均衡を図るため、月例給の引上げ改定を行う必要がある。この改定は、本年4月時点の比較に基づいて国家公務員給与と民間給与を均衡させるためのものであることから、同月に遡及して実施する必要がある。月例給の改定に当たっては、人材確保の観点等を踏まえ、若年層に重点を置いて、基本的な給与である俸給を引き上げる。
公務員の給与の改定は民間の給与との差があることからこれを調整するために行われるものです。
その調査の対象となるのが勧告のあった年の4月だから改定額との差額は4月に遡って支給されるんですね!
よって、実際に給料月額が変わるのは翌年の1月からになるので、改定があった年の4月~12月までの差額がまとめて支給されるという訳です。
差額が支給される時期は12月末です!
この4月~12月分の差額ですが支給されるのは国・自治体全て12月末です。
何かと出費が多くなる年末年始に併せてお金がもらえるのはありがたいですね笑
詳細な支払日は自治体によって異なると思いますが、おおよそ各自治体の最終営業日付近(12/27日あたり)のことが多いようです。
年末年始は銀行も休業となりATMの手数料も高くなるので現金が必要な方は早めに下ろしておくのが良いですね!
差額の計算方法
次に支給される差額の計算方法について解説していきます。
基本的には給与について改定されたもの全て(基本給・手当)の差額の合計になります。
手当は基本的には地域手当時間外勤務手当のみ対象となります
手当では主に時間外勤務手当と地域手当(率の改定分は除く)が該当します。
該当する理由としては上記2点は基本給が上がると連動して上がる手当だからです。
R6年度の人事院勧告では地域手当の率、通勤手当、扶養手当も改訂されましたが実施日が令和7年4月からなので差額支給の対象外になります。
基本的にこうした手当は翌年度から適応されるので差額支給には関係ないです。残念…
また、公務員のボーナス(期末手当・勤勉手当)は改定されると12月分の支給月数を増やして調整するのでこちらも差額支給の対象外となります。
R6年度の期末手当・勤勉手当の支給月数を参考に以下の表に示しておきます。
ちなみにR6年度の改定で期末手当・勤勉手当の総支給月数は4.50カ月から4.60カ月に変更となっています!
年度・手当科目 | 6月期 | 12月期 | 計 |
---|---|---|---|
R6年度・期末手当 | 1.225カ月(支給済) | 1.275カ月 | 4.60カ月 |
R6年度・勤勉手当 | 1.025カ月(支給済) | 1.075カ月 | 4.60カ月 |
R7年度・期末手当 | 1.25カ月 | 1.25カ月 | 4.60カ月 |
R7年度・勤勉手当 | 1.05カ月 | 1.05カ月 | 4.60カ月 |
よって、差額の支給金額には計上されませんが12月の期末・勤勉手当の額面は多くなるのでうれしい気持ちにはなりますね笑
公務員のボーナス(期末・勤勉手当)については以下の記事で解説しています。興味のある方は是非ご覧ください♪
計算例(新卒公務員を想定)
実際にいくら差額がもらえるのか新卒の公務員を想定して計算してみます。
まず前提条件としては以下のとおりとします。
- R6年度に相模原市役所に大卒で入庁した新卒職員(地域手当12%)
- 基本給(1級29号給)は196,100円
- 改定後の給料月額(1級29号給)は219,900円(+23,800円)
- 月あたりの勤務日数は22日、1日の勤務時間は7時間45分
- 残業時間は月10時間を想定(時間外勤務の時給補正率は25%)
以上の条件の元、R6年4月~R6年12月までの9カ月分の給料差額を計算していきます。
まず、給料月額の改定による差額については、
23,800円(差額)×9(カ月)=214,200円になります。
基本給の差額だけで20万以上もらえるなんてR6年度の改定は公務員にとっては本当に嬉しいですね!
次に地域手当の差額ですが相模原市の地域手当は12%なので、
23,800円(差額)×0.12(地域手当率)×9(カ月)=25,704円になります。
地域手当の差額も9カ月分となると良い金額になりますね!
最後に時間外勤務手当の差額ですが月10時間の時間外勤務があるとすると、
{23,800円(差額)×1.12(地域手当)}÷22(日)÷7.75(時間)×1.25(時間外勤務率)×10(時間)×9(カ月)≒14,070円になります。
以上全てを合計すると、
214,200(基本給差額)+25,704(地域手当差額)+14,070(時間外勤務差額)=253,974円となりました!
これはもう、ちょっとしたボーナスですね!笑
ここから税金が引かれますがそれでも手取りで20万は貰えるでしょう。
30代前半までの若手公務員の方もおおよそこのくらいの金額は貰えるはずです。
無駄遣いしないようにしましょうね!笑
まとめ
ここまで、給与改定による給与差額の支給時期・金額について解説してきました。
まとめると、
- 差額の支給は改定があった年の4月~12月分がまとめて貰える
- 支給時期は12月末(おおよそ最終営業日付近)
- 差額の計算には地域手当・時間外勤務手当も含まれる
- R6年度の改定では若手公務員は手取りで20万以上貰える
こんなところでしょうか!
この記事が公務員の方々の給料に関する知識の一助となれば嬉しいです。
これからも公務員の有益な情報を発信していきます!
それでは、失礼いたします。