いつもお世話になっております、ルル区長です。
公務員として土木の仕事に携わっていると多くの契約書見ることになると思います。
課税文書(契約書等)には「収入印紙」を貼ることが印紙税法で定められています。
収入印紙の額は契約種別・契約金額ごとに決まっているのですが皆さんは正しく把握できているでしょうか?
僕も入庁したての頃は収入印紙の金額区分を分かってなくて書類を差し戻されてました笑
後になって契約書の収入印紙が間違っていることが発覚すると相手方に再度収入印紙を貼りなおしてもらうことになり二度手間になってしまいます。
こうしたことでミスやトラブルの原因にならないよう、今回の記事では土木公務員がよく目にする契約書の収入印紙について、またその金額について徹底解説していきます!
契約書に収入印紙を貼ることは印紙税法で定められています!
最初でも少し触れましたが、契約書に収入印紙を貼ることは「印紙税法」により定められています。
以下に印紙税法のURLを貼っておきます!
印紙税法の「別表第一」に契約種別の課税標準(契約金額)及び税率(収入印紙の金額)が記載されています。
土木公務員の業務で扱う契約書は主に「請負に関する契約書」になります!
ただし、後で解説しますが建設工事の請負契約書については「印紙税の軽減措置」が適応されて印紙税法の別表第一に記載されている金額とは異なる点は注意が必要です。
契約書の金額別の収入印紙額
それではここから「請負に関する契約書」の収入印紙の金額について解説していきます!
土木公務員の業務で扱う「請負に関する契約書」ですが簡単に言うと「一般委託の契約書」、「工事関連委託の契約書」、「建設工事の契約書」の3つに分けられます。
各種別で簡単に下記にまとめてみました!
- 一般委託:「草刈業務」や「清掃業務」などの一般的な委託
- 工事関連委託:建設コンサルタント会社等に発注する「設計業務」や「測量業務」の委託
- 建設工事:「道路維持修繕」や「道路改良・新設」等を行う工事
これらの種別の契約金額による収入印紙の金額は「一般委託の契約書」と「工事関連委託の契約書」は同じ金額区分で「建設工事の契約書」のみ異なります。
また、収入印紙の金額は「契約金額の税抜価格」で決定されることは頭に入れておきましょう!
「一般委託・工事関連委託」の契約金額別の収入印紙額
「一般委託・工事関連委託」の契約金額別の収入印紙額を以下の表にまとめました。
契約金額(税抜) | 収入印紙の額 |
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円を超え200万円以下 | 400円 |
200万円を超え300万円以下 | 1,000円 |
300万円を超え500万円以下 | 2,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 10,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 20,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 60,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 100,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 200,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 400,000円 |
50億円を超えるもの | 600,000円 |
契約金額の記載がないもの | 200円 |
かなり細かく区分されているのが分かりますね!
僕のような地方公務員であれば100万~5000万あたりの委託契約書を目にすることが多いですね!
金額が多くなればなるほど印紙の金額も増えるので契約書作成時にはミスの無いようにしましょうね!
「建設工事」の契約書には印紙税の軽減措置が適応されます!
ここからは「建設工事」の契約書の印紙税額について解説していきます。
ここで重要な点が1つあって、建設工事の契約書には「印紙税の軽減措置」が適応されます。
ただし軽減措置が適応されるのは請負金額(税抜)100万円を超えるもので、100万円以下については前述の委託の印紙税額と同様の金額になります。
参考に国税庁のHPに「建設工事請負契約書の印紙税額の軽減措置」について記載がありましたのでURLを以下に貼っておきます。
この軽減措置は一時的なもので平成26年から開始されており、現時点では令和9年3月31日まで適応されるようです。
元々は令和6年3月31日までの措置でしたが令和6年4月1日に更新されて期間が延長されました。令和9年度以降も延長されるかもしれませんね!
「建設工事」の契約金額別の収入印紙額
「建設工事」の契約金額別の収入印紙額を以下の表にまとめました。
契約金額(税抜) | 収入印紙の額 |
---|---|
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上100万円以下 | 200円(軽減措置対象外) |
100万円を超え200万円以下 | 200円 |
200万円を超え300万円以下 | 500円 |
300万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 30,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 60,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 160,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 320,000円 |
50億円を超えるもの | 480,000円 |
軽減措置により1億円程度までは印紙税額が半減していることが分かりますね!
委託契約書と印紙の額を混同して間違えないように気を付けましょう!
(参考)変更契約書の収入印紙額
ここまで業務委託や建設工事の契約書の収入印紙額について解説してきました。
ただ、こうした契約には変更契約がつきものです。
変更契約書にも収入印紙が必要です。こちらについても頭に入れておきましょう!
変更契約書の収入印紙額は変更金額(税抜)に対して決定されます!
変更契約書の収入印紙額は基本的には変更金額(税抜)によって決定されます。
収入印紙の金額区分は業務委託・工事毎に前述の表に記載してある金額区分と同様です!
この変更金額(税抜)によって収入印紙額が決定されるのは変更契約書に変更前の金額と変更後の金額が記載されており、変更金額が明らかな場合に適応されるものです。
行政で扱う変更契約書であれば基本的に問題ないと思いますが、以下のような場合には変更契約書の記載次第では変更後の金額全てに対して収入印紙額が決定されることになります。
- 変更前の契約金額等の記載のある契約書が作成されていることが明らかでない場合
- 当初の契約書が作成されていない場合
こちらも参照した国税庁のURLを以下に貼っておきます!
まとめ
今回の記事では土木公務員の業務で目にする契約書の種別の収入印紙額について解説してきました。
まとめると、
- 収入印紙の金額は契約額の税抜価格によって決定される
- 収入印紙の金額区分は大きく「業務委託」・「建設工事」で分けられる。
- 「建設工事」の請負契約は「軽減措置」により印紙額が減額される。
- 変更契約書の印紙額は変更金額により決定される。
こんな感じでしょうか!
この記事が土木に携わる方々の参考になれば嬉しいです!
これからも土木関係の有益な情報をどんどん発信していきたいと思います。
それでは、失礼いたします。