いつもお世話になっております、ルル区長です。
公務員において、「技術職は事務職より出世しにくい」
技術職(土木)公務員を目指す人や、実際に働いている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

実際に、自治体の中枢部署がそもそも事務職メインの傾向にあります。
しかし、政令市で土木職として働いている僕の感覚では技術職の中でも土木職において、「出世コース」は確実に存在します!
今回は、僕の経験に基づいて土木職公務員の出世コースや配属先について具体的に解説していきたいと思います!
土木職で評価されやすいのは「本庁中枢部署」と「主要工事発注部署」

まずは全体的な傾向についてお話します。
結論から言うと、土木職公務員の出世コースと呼ばれる配属先は事務職と同様に「本庁中枢部署」に加えて「主要工事発注部署」も候補に挙げられます。

具体的には以下のような業務を担当する部署になります。
本庁中枢部署
- 大規模な道路工事の予算管理業務
- 都市計画等の政策関連業務
- 大規模な開発・再開発を担当する業務
主要工事発注部署
- 幹線道路の新設・改良工事や用地買収業務
- 駅前や港湾・空港など主要な施設の整備

ちなみにどの部署も大抵は激務です…笑
ここから実際に存在する自治体の部署を例に挙げながらより詳細に解説していきます!
本庁中枢部署
早速、「本庁中枢部署」の詳細から解説していきたいと思います!

ここが出世コースになるのは皆さんイメージ通りかと思います。
役所の重要な機能を担う部署は基本的に本庁へ設置されています。
これは技術職だけでなく事務職等全ての職種の公務員に言えることです。

では土木職で言う本庁中枢部署はどこに該当するのでしょうか?
具体例を出しながら紹介していきます!
大規模な道路工事の予算管理業務を行う部署

「大規模な道路工事の予算管理業務」を行う部署は土木職公務員の配属先として出世コースとされています。

僕の総評は以下のとおりです!(星5つ満点)
- 出世コース度:★★★★★
- 残業の多さ:★★★★★
- やりがい:★★★
- 休暇取得のしやすさ:★★
予算管理の部署は下水や公園等の部署にもありますが、中でも道路の部署は目玉の事業が多い傾向にあり特に優秀な人材が配属されているイメージです。

実際の自治体で例を挙げると、次のような部署が該当します!
- 福岡市:道路下水道局 道路計画課
- 仙台市:建設局 道路計画課
- 広島市:道路交通局 道路部 道路計画課
こうした部署は数十億といった予算を財政局と協議して確保したり、工事の進捗管理を行います。
また、議会対応や国や他自治体からの調査依頼の対応など面倒な案件が多く中々ブラックな部署とも言えます笑

扱う予算の額が大きくなると必然的に協議や決済等で部長級や局長級の人とも関わることが多くなります。
また、工事発注部署との調整もあるため、上手くやれば顔も広がるので将来的にも良い効果が得られます。
道路関係の分野で出世コースを歩んでいきたい方は是非とも通っておきたい部署になりますね!
都市計画等の政策関連業務を行う部署
続いての出世コース「都市計画等の政策関連業務」を行う部署について紹介していきます。

こちらの部署の評価はこんな感じです!
- 出世コース度:★★★★★
- 残業の多さ:★★★★
- やりがい:★★★★
- 休暇取得のしやすさ:★★★
政策関連業務を扱う部署は土木職公務員の「花形」とも言える部署です。
当然忙しくもありますがやりがいも大きく、モチベーションをもって業務に取り組めるような部署のイメージです。

実際の自治体で例を挙げると、次のような部署が該当します!
- 横浜市:都市整備局 都市計画課
- 北九州市:都市戦略局 都市交通政策課
- 相模原市:都市建設局 まちづくり推進部 交通政策課
- 京都市:建設局 みどり政策推進室
土木系の政策関連業務では「都市計画」や「交通政策」、「公園計画」を扱う部署が該当します。
こうした部署が扱う業務は自治体の方針を決定するようなものなので非常に重たい業務になります。

協議・決裁には偉い人達の承認が必要なのに加えて、専門家等の有識者との業務もあり高度な知識への理解が求められます。
こういった部署も部長・局長級の偉い方々に顔を覚えてもらいやすいので好印象を残すことができれば今後の人事にも期待ができそうです。
こちらは現場とは若干離れて、計画畑で出世コースを歩んでいきたい方にはオススメの部署になります!
大規模な開発・再開発を担当する業務を行う部署

意外かもしれませんが、個人的には「大規模な開発・再開発を担当する業務」を行う部署も出世コースと言えます。

こちらの部署の評価はこんな感じです!
- 出世コース度:★★★★
- 残業の多さ:★★★★
- やりがい:★★★
- 休暇取得のしやすさ:★★★★
都市の開発・再開発といった業務は1つの案件で巨額のお金が民間で動きます。
そのため、開発・再開発行為に対する行政判断は結構難しく、かなり能力が求められる部署になります。

実際の自治体で例を挙げると、次のような部署が該当します!
- 大阪市:計画調整局 開発調整部 開発誘導課
- 静岡市:都市局 都市計画部 景観まちづくり課
- 熊本市:都市建設局 都市政策部 市街地整備課
開発・再開発に関する業務は都市計画法に基づいて業務を行います。
そのため「都市計画」系の部署に付随する場合もあるのですが、「計画」や「政策」とは別系統の業務になるので分けての紹介としています。
どちらかといえば業者を相手にするので対外的な業務が主であり、内部的なコネクションは少ないため出世コースとしては前述の部署には若干劣ります。
ただし、開発・再開発行為は都市の形状を大きく左右するため法律に則り正しい判断を求められます。

この部署を経験することで、個人としてかなり成長できると思います!
そして建築職の方と一緒に仕事ができる職場になっているのも特徴で、特に「都市計画」関連の部署で出征ルートを歩みたい方にはオススメできる部署になります!
主要工事発注部署
ここからはジャンルを変えて、「主要工事発注部署」について解説していきたいと思います!

こちらの部署は本庁ではなく出先にある場合が多いです!
何億、何十億といった設計金額の工事をバンバン発注していく部署になります。
この部署はゼネコン等からの転職で入庁した人や体育会系で優秀な人が配属される傾向にあります。

僕の自治体でもこうした部署には仕事バリバリの格好良い人達が多いです笑
それではこちらも具体例を出しながら紹介していきます!
幹線道路の新設・改良工事や用地買収業務を行う部署

1つ目は「幹線道路の新設・改良工事や用地買収業務」を行う部署です。
こちらは王道中の王道で、工事発注系の部署の中で最も大変かつ有力な出世コースになります。

こちらの部署の評価はこんな感じです!
- 出世コース度:★★★★★
- 残業の多さ:★★★★★
- やりがい:★★★★★
- 休暇取得のしやすさ:★★
こうした部署は基本的に億越えの工事がほとんどです。
また、事業が大規模なため関係機関との協議も多岐にわたります。

埋設物管理者や鉄道会社、電力会社など相手方も大きい規模の会社だったりすることが多々あります!
そして、決まった工期の中でこうした協議を整えて受注業者と現場のトラブルにも対応するためコミュニケーション能力や先の見通しを立てる要領の良さが求められます。

実際の自治体で例を挙げると、次のような部署が該当します!
- 京都市:建設局 道路建設室
- 堺市:建設局 土木部 連続立体推進課
- 岡山市:都市整備局 道路部 西(東)部幹線道路建設課
大変ですが、工事が完成したときのやりがいは凄いですし土木技術者として非常に成長できる部署です!
土木職ならこうした一度は通っておきたい定番の出世コースになります。
駅前や港湾・空港など主要な施設の整備を行う部署
続いては「駅前や港湾・空港など主要な施設の整備を行う部署」です。
扱う施設の規模が非常に大きいのが特徴で、工事の内容も特殊なことが多いです。
なので専門性が高く、難しい業務が多い部署になります。

こちらの部署の評価はこんな感じです!
- 出世コース度:★★★★★
- 残業の多さ:★★★★★
- やりがい:★★★★★
- 休暇取得のしやすさ:★★
こちらも幹線道路整備の部署と同じく億越えの工事を扱います。
そして関係機関もこちらも同様に鉄道会社や航空会社、海運事業者と大きな組織を相手にしなければなりません。

実際の自治体で例を挙げると、次のような部署が該当します!
- 新潟市:都市政策部 新潟駅周辺整備事務所
- 川崎市:建設緑政局 道路河川整備部 都市基盤整備事務所
- 神戸市:港湾局 空港戦略部 工務課,海岸防災課
駅周辺の整備事業はニュースなどでもよく取り上げられますのでかなりプレッシャーのある業務になります!
港湾施設においても、防災や物流・旅客に直結する部署なので重要度は非常に高いです。
中々配属される機会は少ないかと思われますが、キャリアに拍がつく良い部署だと個人的には思っています!
出世するなら国や県への「出向」もキャリアに必要です!

ここまで、政令市における土木職の出世コースに乗る配属先を紹介してきました。

前述の部署を渡り歩けばある程度のところまでは確実に出世できると思います。
さらに上を目指したい方は役所の中だけでなく「外」へ出ることも必要です。
つまりは県や国などの上位官庁への出向が第2の鍵となります!

実際に僕の知る部長級・局長級の方は全員、前述の部署経験に加えて出向経験者です。
また、出向から帰ってきた人は前述の出世ルートの部署へ配属される傾向があります。
ただし、地方公務員として働く中、県外へ出向するというのはかなり腰が重たいです。
実際、土木職で出向を希望する人はそんなに多くなく倍率もそんなに高くない印象です。
異動希望調査で出向を希望すれば意外と通ることがあります。
なので僕は出世したいなら身軽で動きやすい若いうちに出向に行くことをオススメします!

「出向」については以下の記事について詳しく解説していますので興味のある方は是非ご覧ください♪
出世していく人の異動ルート
ではここから、出世していく人がどのような異動遍歴を辿るのかについて解説していきたいと思います。
基本的には前述の部署を経由していくのですが、公務員の異動には「畑」という概念が存在します。

よく言われるのは「道路畑」、「計画畑」、「水道畑」とかですね!
これは何かというと、僕たちが異動を経験していくにつれて、ぼんやりとではありますが異動先が特定の局に集中していく傾向があるんです。
「畑」は出世を見越した合理的なシステム

僕たち行政職員は最終的には特別職(副市長等)を除くと局長級まで出世することができます。

土木職でいうと「建設局長」や「都市局長」等が該当します!
ということはつまり、出世しきっても別の局の業務には基本的に関わらないということなんです!
組織全体として考えると、局長まで出世できるような優秀な人の異動ルートで局を跨いでしまうと非効率ですよね。
一応、関連する他局の内情を知ったりもできるので間接的効果は若干期待はできますが…
なので僕たちは若いうちは様々な局の部署を経験しますが、だんだんと適性がある(と判断された)局への異動が集中していくようになります。
こうして僕たちの「畑」が決定していくわけです。
とても合理的なシステムだとは思いませんか?笑
中でも評価が高いのが「道路畑」と「計画畑」
こうした異動ルートにおける「畑」のシステムですが、僕たち土木職の公務員では「道路畑」や「計画畑」が出世コースだといわれることが多いです。

「道路畑」は主に道路事業の発注・予算管理、「計画畑」は主に都市計画や政策、開発の業務を担当します。
これらの「畑」の中に僕がこれまで紹介してきた出世コースの部署が結構該当してきます。
なぜ他の「畑」と比べて「道路畑」や「計画畑」の評価が高いかというと、自治体が抱える事業の中でも主要なものを多く扱うからです。
例えば、「水道畑」でも工事の発注や予算管理の部署はもちろんあります。
ただ、発注する事業の特性を考えると埋設物のような目に見えないインフラの整備よりマスコミ等からも注目されるような大規模な道路工事のほうが世間の注目度も高いです。

こういった観点から、「道路畑」には優秀な人材が集められる傾向があります!
そして、「計画畑」は言わずもがな都市計画や政策を取り扱う「花形」の部署が多く存在していますのでこちらにも優秀な人たちが集められることになります。
こうした「畑」に関連する部署に配属され、成果を上げ続ける人は全庁的に一目置かれる存在となっていきます!
他の「畑」でも局長の座は狙えます!

ここまで、「道路畑」と「計画畑」が評価の高い出世コースということについて紹介してきました。
ただし、これは自治体における元も王道の出世ルートであり、実際は「道路畑」や「計画畑」以外にも多くの「畑」がありますし多様な局が存在します。
「局」の数だけ局長の席があるので、「道路畑」や「計画畑」から昇っていった花形の「建設局長」や「都市局長」ではなく、例えばその他の「水道局長」等であっても給料は同じ「局長級」の給料です。
なので、自身が進みたいルートがあるなら、その「畑」を見つけて進んでいくのが一番だと僕は思います!
まとめ
今回は土木職の地方公務員の出世コース・配属先について解説しました!
まとめると、
- 土木職で評価されやすいのは「本庁中枢部署」と「主要工事発注部署」
- 県や国等の上位官庁への「出向」も出世に大きく影響する
- 王道の出世コースは「道路畑」や「計画畑」からの建設局長や都市局長を目指すルート
- その他の「畑」でも局長級を目指すことはできる
こんな感じでしょうか!
この記事が将来有望な土木公務員の方々の参考になったら嬉しいです。
これからも土木公務員に関する様々な情報を発信していきます!
それでは、失礼いたします。

